松下館 タイムカプセル 10分の1スケールレプリカ
猫の方が目立っている気もしますが、これは1970年、今から54年前に大阪府は千里丘陵で開催された日本万国博覧会に参加した企業パビリオンのひとつ、現在のパナソニックである松下電器の目玉企画だったタイムカプセルのミニチュアです。
こちらは当時、ナショナルパナカラーというカラーテレビを購入した人へ贈られたノベルティだったもの。テレビの上にこれを飾りましょう、ということだったみたいですね。昔のブラウン管テレビというと、厚みがものすごくありましたからね、こんなフィギュアとか全然飾れたもんね。
じゃん。これは当時の公式ガイドブック。
表紙は何をあらわしているのかなあ。
開催当時、大阪万博のシンボルだった太陽の塔の周りには、かの丹下健三さんがデザインした大屋根と呼ばれる立体トラス構造の美しい巨大建築物が建っていたのですが、それに見えないこともない。
ここが松下館のページ。
大阪万博というと、どのパビリオンや展示室も、とにかくもう近未来、スペーシー、というか、透明のドーム型であったりだとか、宇宙的でミッドセンチュリーみたいな。そんなようなデザインが主流だったんじゃないのかなあと思っていたんですが、松下館はこんな純和風の、大阪万博では異質なデザインだったようです。
これは天平時代の建築様式を取り入れていたそうですが、デザインしたのは伝統的な数寄屋建築を近代化し、文化人や政治家など名だたる方々の邸宅を設計した吉田五十八さんが手がけたもの。似たような建物が2棟、連なったデザインだったようです。
長くなっちゃったので早速開けていきましょうか。
開くんですよ、中が。今もうすでに中途半端に隙間が見えちゃっているんですが、完全に閉じてしまうとものすごくかたいんですよね。なのでいつもふわっと乗せている状態にしてあります。
土台の黒いところが汚れているように見えますが、これは何らかの接着剤のあとです。後ろに見えているプラスチックケースも54年も前のものなので流石に変色しています。とはいえ洗えるパーツは丸洗いしてあるのでわりと綺麗です。
上蓋と、真ん中もこんな風にバコッと開きます。
開けるとなにやらこんな感じになっています。
金ピカの松下館のミニチュアと、ルーペのようなもの、それからこれまた金ピカの宝箱のようなもの。
最下部の宝箱も取り出せます。
素材自体はめっちゃ軽い。プラスチックに塗装がしてあるだけです。
中からは、なんと真っ赤な表紙のPHP文庫の豆本が出てきました。
松下電器創業者、松下幸之助さん著「道をひらく」です。
中身も全文きちんと製本されています。
マジでちっちぇ〜。
そこでさっきの丸いルーペを使うんですね。まあこのサイズで読もうと思わないけどさ。
実際のタイムカプセルにも道をひらくの著書が入れられているそうです。
このタイムカプセル、大阪城の地中深くに2つが埋設されていて、そのうちひとつは毎世紀初頭に開けられ、中身の劣化具合なんかを確認するみたいですね。なので2000年に開催から約30年ぶりに開封されたようです。
もうひとつはなんと5000年後の人類へ、当時の現代文化を伝えるために長い眠りについています。6970年、人類がまだ存在しているといいのですが…。