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ビネガーシンドロームに陥ったワンダースワンの偏光板を交換したものの正解がわからなかった話

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1999年、携帯ゲーム機のカラー化が進むさなか、あえてのモノクロ液晶で発売されたワンダースワン。
携帯ゲームの父とも呼ばれた任天堂の横井軍平氏が開発に関わったことは有名な話。
本体を縦持ちにしてプレイするパズルゲーム「グンペイ」は、結果的に横井氏の遺作となってしまいました。

エヴァ破やシンエヴァではアスカがグンペイらしきゲームで遊んでいるシーンが登場して話題になりました。

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さあ、そんな発売から25年が経ったワンダースワン。こんな風になります。
液晶画面が、何やらじわ〜っと嫌な感じになっているのがわかりますでしょうか。
内部に使用されている偏光板が経年劣化で加水分解し、酢酸が析出する「ビネガーシンドローム」です。
写真を撮っている今も超酸っぱい匂いがしてくるんです。
普通ならもうこれ無理だなーで終わるところだと思うんですけれども、なんか偏光板を交換できるっぽいんですよね。なので今日はちょっとそれをやってみますね。
でも先に言っておくけど、もしかしたらこれ失敗したかもしれない。あと早く分解したい気持ちが勝ってしまって、ビネガーシンドローム状態の液晶の様子を撮るのを忘れちゃいました。意味ね〜

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前回のパーマンのゲームのときにも出てきた1000円の精密ドライバーを今日も使います。というか、ワンダースワンを分解したくてこれを買ったみたいなところがあります。
ワンダースワンのシェルには星型のトルクスねじという特殊なものが使用されているみたいなのです。それでこのセットを買っておいたんですよね。
おもしろいくらい回る〜。小さな機械のねじを取り付けたりはずしたりするの大好きです。

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はずれました。
買ったものの、そのサイズ感に戸惑って使っていなかったちいかわとマリオンクレープコラボのタオルハンカチを下に敷いています。
これね、こういう機器を扱う時は繊維の付着しそうな布を敷くのは良くないんですよ、おばあちゃん知ってんの。
でも別にそこまでガチ勢ではないし、かわいい機械がほんの少し綺麗になったらいいなぐらいのことしか考えていないので、わたしはハンカチでいいです。

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基盤はねじ止めされていませんでした。
ただ、液晶のフレキケーブルが繋がっているので慎重にはずします。
小さなボタン類もすべてはずしてこのあと洗います。液晶画面は両面テープのようなもので取り付けられていたのでシェルの両側を持って静かにひねると割れずにはずすことができました。

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うわあ。
これがビネガーシンドロームです。とにかくとんでもない匂い。換気必須です。

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劣化した偏光板を、液晶を割らないようにゆっくり剥がしました。画面には何やらベタベタが残っています。

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これを無水エタノールで拭いていきます。値上げされた500ミリの無水エタノールのあまりの高さにびびって、少量タイプの格安のものを買いました。
無水エタノールをつけた綿棒で少しずつ接着剤を取っていくと、もう1枚何かの層が貼られていることに気が付きました。

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せっかく拭き取って綺麗になりかけていたんですが、その層をえいっと剥がすとこんな風に綺麗な画面があらわれました。さっきまでの苦労...
この面にも少し接着剤が付いていたので引き続き丁寧に拭きます。

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小さなゲーム機やおもちゃを洗う用にしているジップロックコンテナです。ボタン類とシェルを中性洗剤につけて大好きな丸洗い。

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とはいえ今回分解してみて思ったけど、このワンダースワン、液晶こそビネガーシンドロームになってしまっていたけど、その他は基盤もボタンもとても綺麗でした。
でもこの洗えるパーツを洗うことをめっちゃ楽しみにしている人間なんでね、洗いました。超さっぱりしたー。

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さて、いよいよ新しい偏光板を付けるんですけど。偏光板は10センチ角ほどのものが10枚入って700円程度で通販で買うことができました。
偏光板って向きによって見え方が全然違うんですよ。まずこの向きね、絶対間違ってる、真っ暗でしょ。

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んでこうするとこう。なんか紫。
綺麗だけどさ、たぶんこれも違うじゃないですか。これ通電させてゲームを起動してからやれば良いだけなんだけど、通電テストに使うクリップのあれとか持ってないので勘でいくしかない。

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おっ。この向きなんじゃないですかね。そろそろ疲れてきているのでもうこの向きでカットしちゃいました。こういうところに性格が出る。

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さあさあ、お楽しみ&ドキドキの組み立てです。元に戻せるかな。勘で向きを決めた偏光板もカットして、保護フィルムも剥がして液晶に貼りました。

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できたー。見た目はとっても綺麗。
電源入るかなあ。

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「ギュイーン」おなじみの起動音が鳴ってグンペイが起動しました。
音もちゃんと出てる!
けどこれ、合ってます?偏光板の向き。
いやめちゃくちゃ見やすいんですけどね、モノクロの画面ってそもそもこのくらいだったよね。なんかもっと劇的に綺麗かと思ったけど。
コントラストとかも調整しましたけど、たぶん合ってると思うんだけど。
なんかすごい感動かと思ったけど、うん、映った。みたいな感じで終わった。

今後はやっぱり通電テストのあれを買おうと思いました。